大型精密構造体の製造とは
大型部品が中小型部品と異なる点はサイズが大きいことであり、部材が大きいために中小型部品とは異なる設計方法や製造時のノウハウが必要になります。大型部品は大きいもので長さ8m、幅3.5m、重量20t程度の部品もあります。このような大型部品を製造するには、建屋、クレーン、工作機械などの設備も大型のものが必要です。大型部品の製造トータルコスト、品質を考慮した場合、製缶と機械加工は密接な関係にあります。
従って、業者の選定は別々ではなく、一貫生産の出来る業者に一括発注すべきです。

1mの長さの製缶部品は、温度変化1℃に対して12μm長さが変化します。1mの部品を機械加工したときの温度が28度で、部品の使用環境が23℃であれば、温度による変化だけで部品長さの誤差は60μmになります。部品が大型で5mの長さがあれば誤差は1mの製品の5倍の300μmになります。大型部品の寸法精度を検査しても、検査時と使用時の温度が異なれば、検査の意味がありません。また、温度管理が出来ていないと大型部品は大きな曲がり変形も生じます。従って、高い品質精度を守るためには、温度管理を行っている工場で機械加工をする必要があります。なお、1℃の温度変化に対する変形は、ステンレス:17~18μm/m、アルミ:24 μm/m、鋳物の場合は鋼材と同じです。
