(3) 市場品として入手しやすい鋼板(SS400)サイズ
以下に示すのは、とある事例です。これを解決するにはどうすればいいでしょうか。
鋼板(SS400)を用いて構造体の設計を行った。設計計算の結果、算出された板厚を図面に反映したところ、製缶業者から『その板厚を遵守するには削り出し加工が必要となり、コストアップになるので板厚変更して下さい』との要望がきた。規格上では1mmピッチで板厚が存在するはずなのにどうしてこういう要望がくるのか判らない。
鋼板(SS400)は1.6、2.3㎜といった薄板から200㎜を超える厚板まで存在しますが、鋼板には市場品として入手しやすい板厚、寸法があります。具体的には
板厚:6,9,12,16,19,22,25,28,32,38(mm),40mm以上は5mmピッチ
幅×長さ:1524×3048, 1524×6096, 2100×6096, 2438×6096(mm)
幅×長さ:1524×3048, 1524×6096, 2100×6096, 2438×6096(mm)
となります。
溶接による板継ぎを行うことで上記より大きな寸法の1枚の部材を製造することももちろん可能ですが、製造コスト(溶接コスト)が増大します。入手困難な板厚を設定すると板厚調整のため無駄な削り加工が発生することもあります。すなわち、入手容易なサイズの鋼板を使用して構造体を構成することは製造費の増大防止となります。
業界で標準とされている板厚を使用することで、材料費のコストダウン、材料調達のリードタイムの短縮が図れます。
業界で標準とされている板厚を使用することで、材料費のコストダウン、材料調達のリードタイムの短縮が図れます。